2025 年 160 巻 p. 259-267
本稿では,日本の法人税申告データを用いて,2014年から2020年にかけての日本のビジネスダイナミズムを説明する2つの指標(すなわち,参入・退出率と集中度)を計測する。日本の全企業の事業活動(売上高)を網羅したデータから以下のファクトが得られた。第一に,コロナ禍によって退出率が若干上昇したものの,参入率,退出率ともに引き続き低位で推移している。第二に,企業集中度も安定しているが,若干の低下傾向も見られる。以上のファクトは,企業の低い参入退出率が経済の停滞をもたらす可能性を検討したMiyakawa et al.(2022)における理論的な検討と整合的である。今後の日本経済にとって企業間における新陳代謝の促進が重要と考えられる。