抄録
本調査研究は、ハード整備だけでない、O&M事業を付加したインフラシステムの海外展開が求められていること、開発途上国において官民連携の需要が高まっていることを踏まえ、今後のインフラシステムの海外展開に際して活用できる基礎資料の作成を目的として、インフラシステムを海外展開する際の競合国や展開先国の都市を対象に、官民連携事業、外国企業が参入しているプロジェクト等の実施状況や、関連する政策等の動向を調査したものである。具体的には、都市交通、港湾、都市開発及び上下水道の4分野の別に、官民連携事業、外国企業が参入しているプロジェクトの実施状況、事業スキーム及び参画企業の動向や、これらに関連する政策や制度の動向を調査した。
調査の結果、各国において程度の違いはあるが、都市交通、港湾、都市開発、上下水道各分野のいずれにおいても、サービス水準の向上、効率化、長期的な維持管理などの理由から、多様な事業スキームでの官民連携事業が進められており、外国企業の参入を可能とする制度環境が整備されつつあることが確認された。一方で、各国における需要や制度面、権利調整、労使関係など多様な事業リスクが存在することも確認された。