海岸工学論文集
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人工磯の新しい近自然化シナリオへの水理解析の貢献
後藤 仁志酒井 哲郎仁木 将人八木 哲生
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2002 年 49 巻 p. 1276-1280

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抄録

既存の人工磯の多くは, 内湾や防波堤に囲い込まれた静穏域に造成され, 波浪の直接的な影響を受けない構造となっている. 一方, 天然磯の多くは, 時化には高波浪の直撃を受ける条件に有り, 波食によって地形生成が成されている. 単に天然磯の幾何的な形状を模倣するのではなく, 波浪条件を始めとする物理環境も天然磯に近づける新しい人工磯の在り方を現実化するためには, 砕波・越波といった激しい波浪条件でも対応できる水理解析手法が必要となる. 本稿では, 粒子法により, 波食棚上の転石の越波・遡上に伴う運動と甑穴内の転石の挙動について数値シミュレーションを実施して, 波浪の作用を積極的に活用した人工磯の環境改善を考える上での水理解析の有効性を示す.

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© 社団法人 土木学会
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