有明海の環境の基本である流動構造を明らかにするため, 潮汐及び三次元流動の数値シミュレーションを実施した. 有明海の特徴である潮汐の増幅現象を正確に再現すると共にそのために必要な条件として, 計算領域の広さと八代海を含んだ計算が必要であることを示した. 三次元計算では, 1973年夏季の実測データを対象としたナウキャスティングを行い, モデルが実現象を再現できることを確認した上で, 数値実験を併用して, 残差流系の力学構造を明らかにした. 有明海には東京湾などに見られる湾奥の時計回りの環流が無く, 反時計回りの流れが形成される原因が, 浅海部の潮汐による強い鉛直混合にあることを示した.