海岸工学論文集
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我が国における主要貝類の生物量と生物機能の分布特性
中村 義治金綱 紀久恵磯野 良介三村 信男
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2003 年 50 巻 p. 1296-1300

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抄録

ホタテガイ (養殖および地蒔き), マガキ (養殖), アサリ, ヤマトシジミ, サザエ, ウバガイ, サルボウ, アコヤガイ (真珠養殖) の個体群を対象に, 炭素収支による生物機能の全国評価を行なった結果. 8種の生物量は1.7Mt (143ktC) あり, 炭素収支は排出が420ktC/y, 固定が467ktC/yで, 差し引き年間47ktCの炭素が貝類によって固定される. 有機物を固定する機能は生物量の大きいホタテガイが卓越し, 水中懸濁物の除去機能はアサリが最も大きい. 海区別では, 生物量の大きいオホーツク海区に次いで富栄養化の進んだ太平洋中区と養殖主体の瀬戸内海区における炭素の排出と固定が大きい.

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