近年, 地震動が弱い割に大きな津波を発生させるいわゆる「津波地震」に関心が寄せられている.既往の研究では, 津波地震の発生原因の一つとして震源断層の破壊継続時間が通常より長いことが指摘されている. そこで本研究では, 震源断層の破壊継続時間に関係する断層の動的パラメータを変化させて数値解析を行い, 地盤の永久変位や地震波の振幅および津波の波高に現れる影響を定量的に調べた. その結果, 破壊継続時間が長くなると地震波の振幅は半分以下になり, 地震波の振幅から求められるマグニチュードが過小評価される危険性が指摘できた. 一方, 地盤の永久変位や津波の波高は, 動的パラメータの影響をほとんど受けないことを確認した.