2003 年 50 巻 p. 441-445
本研究では, キャンティレバー型流速計を製作し, 厚さの異なる一様勾配の礫浜の砕波帯から遡上帯における流速場の計測を行った. あわせて移動床厚の異なる場合の海浜断面の波による変化と径や比重の異なる底質を混合させた場合の底質の移動形態と分級過程を観測した. また, 計測した流速場の結果を使って球体近以した底質の作用波力をMorison式により算定した. そして, 底質の移動限界時の力学的バランスより浮遊限界と岸・沖方向の回転移動限界を求め, 作用波力と比較して底質の移動形態を考究し, 移動床実験との比較を行った. その結果, 力学特性を考慮することにより底質の移動特性や礫浜の断面の形成過程が説明できることが判明した.