実海域で海水とともに運動している状態での懸濁粒子の沈降特性は良く分かっていない. そこで, パルスコヒーント方式の超音波流速計を用いて, 広島湾北部域の海底境界層に存在する懸濁粒子の沈降速度を実測した. 海底近傍では, 懸濁粒子の沈降速度は底に向かって減少していた. またさらに, 海水流動 (流速勾配・Reynolds剪断応力) が大きいほど沈降速度は増加することが明らかとなった. 懸濁粒子の沈降フラックスは, 過去に210Pb法を用いて測定されている堆積フラックスの数十倍の大きさであり, 堆積物に移行するのは沈降粒子のごく一部にとどまり, 堆積確率はかなり小さな値とることが推察された.