海岸工学論文集
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人工干潟の設計資料として整理した三番瀬干潟における底生生物の出現特性
上野 成三高山 百合子湯浅 城之
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2004 年 51 巻 p. 1006-1010

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抄録

三番瀬干潟で10年以上に渡って蓄積されてきた底生生物のデータセットを用いて, 底生生物の出現特性と水深, 底質の有機物量, 泥分 (シルト・粘土含有率) の関係を解析した結果, 底生生物の個体数は, 水深帯はDL-2-1m, 強熱減量は2~7%, 泥分は10-40%の範囲で増大することが定量的に示された.これは, 干潟全体の生物量を増大するためには, 干潟形状として潮間帯から潮下帯直下の水深帯を広く確保すべきであること, 干潟の造成材料として, 今まで多用されてきた清浄な砂質土より, 有機物や泥分を適度に含有した底泥を使用すべきであることを示している.これらの知見は人工干潟の設計資料としての有用なものと考える.

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