茨城県の波崎海洋研究施設において15年間にわたり1日1回ほぼ毎日取得された沿岸流データを解析した. 沿岸流の卓越方向は岸と沖で異なっており, 岸側では北へ向かう沿岸流が卓越していたのに対して, 沖側では南へ向かう沿岸流が卓越した. 沿岸流の卓越方向が岸と沖とで異なった原因の一つとして, 砕波位置によって卓越波向の異なっていたこと, すなわち, 岸側で砕波する場合には南から入射する波が多く, 沖で砕波する場合には北から入射する波が多かったことが挙げられた. 沿岸流速の変動では1年周期が卓越しており, 冬では (1月~2月) 南向き, 夏では (5月~9月) 北向きの流れが卓越していた.