海洋波の非線形の計算において2次波のスペクトルがf-5の特性をもつためには, 1次波のスペクトルはほぼf-8の減衰特性を持つべきであるとのTayfun (1990) の指摘を考慮し, 本論文では一方向及び多方向の波で2次の非線形数値シミュレーションを行い, 1次波のスペクトルの形状と計算条件が2次波のスペクトルと波の統計的性質にどう影響するのかを調べた. 深海波では波の非線形性のよい指標とされるskewnessは浅海性が強くなると差の周波数成分の寄与のため非線形性の強さに対応しない. また浅海性の強い波を対象としたシミュレーションの結果から, 非線形拘束長周期波の波高が1次波の波高の2乗に比例するという結果を得た.