台風7010号により土佐湾の高知港で発生した異常な高潮は, wave setupを考慮した高潮シミュレーションにより再現できる. この高潮シミュレーションモデルは, 波の発達・減衰・変形を考慮した浅海波浪推算による波浪場の推定とradiation応力の算定を行い, これを利用してwave setupを含む潮位偏差を予測する. このモデルにより, 沖防波堤建設後の地形条件において, 台風7010号時の高潮シミュレーションを行い, wave setupを含む高潮に対する防波堤の高潮低減効果を予測した. 防波堤開口部を砕波帯の外側に設置することにより, 港内の高潮は数10cm~1.0m程度まで低減した. 新たな視点から, 高潮対策として防波堤が有効であることを示した.