抄録
皆生海岸での長期的な海岸地形の変形過程を, 地層解析の視点から明らかにする調査をおこなった.同海岸での侵食・堆積域の代表各1測線で計9地点の地層をジオスライサーで連続的に採取した.採取試料の堆積物解析から地層を9ユニットに区分し, 各々の堆積環境を推定した.年代測定により, かんな流し開始以前, 同期問中, 同終了以降に, 地層を区別した.侵食域では, かんな流し期間中の堆積物が削剥されながら海岸線が後退し, 堆積域では, 堆積物の付加により堆積場の浅海化と堆積物の粗粒化を伴いながら海岸線が前進することを, 堆積物から認定した.