2004 年 51 巻 p. 96-100
本研究では, 2つの可視化水理実験とMARS法による砕波の数値計算を実施して, 混入気泡径と形状パラメータの関係を究明した.さらに微小凹凸乱れの発達過程を波内部の流速場・渦構造と関連づけて考究した.くびれや微小凹凸乱れなどの形状パラメータは, 入射波に依存して変化し, 混入気泡の大きさを支配することが判明した.また, 波内部の流速ベクトルは, 波頂部後方から波峰前面の微小凹凸乱れ領域に向かう半円形の分布となった.渦構造は, 微小凹凸乱れ領域の下端から中央付近において反時計回りの渦が発生し, 中央付近から上端では時計回りの渦が発生した.これらの大規模な渦が, 微小凹凸乱れの生成に寄与していると推察される.