51 巻 (2004) p. 996-1000
埋立の影響による流れの滞留によって環境が劣化したとされる東京湾三番瀬の猫実川河口域を対象として, 底泥堆積環境の簡便な調査法を開発することにより, 浮泥域や底泥層厚の詳細な空間分布を把握した.その結果, 全般的には砂泥質の猫実川河口域には局所的に浮泥が厚く堆積した領域の存在が確認された.泥層下の砂層表面地形を調べると局所的な窪地が存在し, 浮泥の堆積はその凹部にのみ見られることが明らかとなった.一方, これらの底質中の有機物起源について炭素安定同位体比を用いて検討したところ, 従来言われていたアオサが支配的であるという証拠は得られず, 猫実川河川水または海産の植物プランクトンの寄与を示唆する結果が得られた.