海岸工学論文集
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様々な地形条件下における波浪推算の精度向上のための幾つかの検討
鈴山 勝之橋本 典明永井 紀彦吉田 秀樹
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2005 年 52 巻 p. 171-175

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抄録

2004年に発生し我が国沿岸に甚大な高波被害をもたらした台風0415号, 0416号, 0418号, 0421号, 0422号及び0423号の6台風について, 多様な地形条件を有する九州沿岸を対象とした波浪推算を行い, 推算精度の検討のみならず, 各所の波浪推算精度を向上させるための幾つかの検討を行った. その結果, 波浪推算時に設定する計算条件である方向スペクトルの周波数分割数と方向分割数の違いが, 推算精度に大きな影響を及ぼすことを再確認した. 特に九州沿岸のような, 岬や島が多数存在するような複雑な地形条件を対象とした波浪推算を行う場合, 方向分割数の違いが周波数分割数よりも大きな影響を及ぼす. また, 陸地と陸地に挟まれた狭い海域においては, マスコンモデルにより局所的な風場を再現することで, その海域の波浪推算精度を合理的に向上できることを再確認した.

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