2005 年 52 巻 p. 176-180
日本海を発達しながら通過する低気圧は, 日本海沿岸に時として異常波浪と呼ばれる高波浪を発生させる. このような異常波浪を, 通常の波浪推算法で再現することは極めて困難である. これは気象庁GPVやECMWF等のメソスケール気象の再現地上風は最大風速のピーク, 立ち上がり特性を再現できないからである. 本研究では, ボーガス低気圧をメソ気象モデルMM5に援用し, 海上風 (10m風速) の時系列特性の再現性を高めることが可能であることを示した. また, MM5とWW3との結合モデルにより, 2003年12月の日本海中部海域, 直江津港の異常波浪の推算を行い, 観測値である有義波高9.24m, 有義波周期12.9sに近い値が再現できることを確認した.