静岡県三保半島は日本を代表する複合砂嘴であり, また, 海岸侵食の典型的な例ともされる. 砂嘴地形, 特にその海浜域の形成過程や汀線変動の要因を理解する事は, 将来的な海岸地形保全のために重要と考える. 本研究では, 三保半島海浜域の地形発達過程と侵食・堆積現象による汀線変動の検討を目的に, 地中探査レーダー (Ground Penetrating Radar: GPR) による地下構造の調査を実施し, 地質学的な解釈を行った. 海浜堆積物と砂丘堆積物の地下構造断面は異なる反射特徴を示し, 前者は海側傾斜, 後者は陸側傾斜の反射が主体である. さらに, 海浜堆積物の反射形態は, 北の連続した地層の形成域と, 南の侵食・堆積をくり返した海浜との堆積構造の違いを反映している. また, 南の海浜堆積物中の1988年当時の汀線位置に, 砂丘側堆積物の剥離面が認められた.