1993 年 1 巻 p. 1-10
建設工事では、計画から維持管理における各段階において適切な意思決定が要求されるが、これらはill-構造問題であり、意思決定のシステム化が困難な分野の1つである。これは建設工事が自然条件の中で実施され、その自然条件の設定が非常に困難であり、かつ不確実性が大きいところに起因する。本研究は、各種建設工事における意思決定問題に関する調査とその構造分析、また具体的な事例として、斜面安定工事を取り上げ、対策工の特性分析、地山の状況と工事の環境に関する要因の抽出と整理、さらには工法選定における意思決定プロセスについての検討を行うことを目的としている。