建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
事業の不確実性を考慮した事業進捗管理のあり方に関する基礎的考察
後藤 忠博山口 真司小路 泰広伏見 聡
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2003 年 10 巻 p. 141-150

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抄録

公共事業実施のアカウンタビリティ向上のためには、不確実性を考慮した事業評価の必要性が強調されている。評価手法については感度分析を中心に検討が進められており、事業の採択時評価や再評価、事後評価等、事業実施の実態を反映する手法が検討されている。一方、これらの事業評価の評価項目には、事業実施時におけるコストや事業期間も含まれており、不確実性を考慮した事業評価の実施により、事業の進捗管理のあり方と密接な関連づけが必要になるものと考えられる。
本稿では、事業評価の視点からみたリスクマネジメントのあり方について基礎的な考察を行う。まず、不確実性を考慮した事業評価が実施された場合の事業評価の結果とプロジェクトマネジメントの関連性について、事業実施に伴うリスクの観点から考察する。次いで、事業評価を行ったときに、個々のリスクがどのような形で事業全体の評価につながるかについて、簡単な数値事例で説明する。この結果から、事業採択時に公表された費用対効果分析の結果と、コスト管理等の事業マネジメントの各段階での整合を図ることが可能となる。

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