豪雨は, インフラ構造物に重大な損失を引き起こす自然ハザードである. 道路等に隣接する斜面の破壊は, 住宅地域での人身, 家屋に対する被害だけでなく, 道路利用者に対する機能喪失をもたらすことになる. 本研究は, これまでの研究の知見に基づき, 自然災害のハザード要因として, 降雨を対象とした斜面破壊により発生する社会経済学的損失の評価に基づく, リスク評価手法について提案するものである. さらに, 本手法を実際の国道網に隣接する斜面に適用し, そのリスク評価結果に基づく, 斜面補強の優先順位付けの基礎資料としての事例についても示すものとする.