2005 年 12 巻 p. 71-80
本論文は製造業等で生産効率化のために導入されている、リーン生産方式の建設現場への適用の有効性を明らかにすることを目的としている。まず、リーン生産方式の起源となったトヨタ生産方式について説明する。次にリーン生産方式を建設業に取り入れたリーンコンストラクションの導入状況について述べる。さらにリーン生産を実現する手段の標準作業と、道具のひとつであるカンバン等による視える化を建設現場に取り入れた事例を紹介する。そしてリーンコンストラクションの有効性について述べる。最後にリーンコンストラクションを実行するために標準作業書と視える化を使用したPDCAサイクルが大切であり、マンネリに陥らないためにトップマネジメントの強い意志が重要であることについて言及する。