建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
映像ケースを用いたケースメソッドの実施とその効果
藤崎 雄滋郎小澤 一雅
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2006 年 13 巻 p. 255-262

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抄録

ケースメソッドは、元来ビジネススクールやロースクールで実際に発生した問題をケースとして作成し、それを用いて討議を行う授業形式で、知識を一方通行で伝える講義形式の授業と比べて、より実践的な力を身につける効果があるといわれている。本研究では、映像ケースの作成からケース討議までの過程の中で、討議にむけた準備、討議の進め方、討議参加者への効果の3点に着目した。ケース討議の進め方については、実践経験及び進行役としての豊富な経験を有する方が行うケース討議への参加経験から整理する。また、討議にむけた準備段階では、ケースの改定を目的とした熟達者への映像ケースの視聴によって、映像ケースが熟達者の持つマネジメント技術の表出を促進する効果があること示された。参加者への効果については、討議参加者へのアンケートを中心に3回のケース討議の試行をまとめる。その結果、参加者の組合せを、熟達者と未熟達者が混在した状態にすることで、熟達者の具体的なマネジメント技術が表出し、熟達者から未熟達者へ、その技術の伝承が可能であることが示された。

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