建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
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グリーン購入法の公共工事の技術評価における業務執行のあり方について
曽根 真理木村 恵子並河 良治
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2006 年 13 巻 p. 345-354

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抄録

グリーン購入法の政策的課題の一つは、評価途上の品目について、評価方法が確定しない状況で、説明性・透明性のある評価を行わなければならないというものである。平成18年6月に土木学会はこの政策課題解決のための提案を国土交通省に対して行った。本稿は、提案のうち業務執行体制下に係わる部分について検討経過の報告を行うものである。
グリーン購入法は、政府が率先してある環境物品を調達することでその環境物品の普及を促すことが目的である。率先として調達するという性格上、評価途上の物品が含まれることがある。また取り扱う環境分野は、地球温暖化、廃棄物・資源、有害化学物質、生物多様性、その他と幅広いことから、これらの環境要素を統合的に評価する技術が必要とされるが、そのような技術は現在のところ開発されていない。一方、特定調達品目へ指定されると国等の各機関はこの品目を原則として調達しなければならないため、特定調達品目の指定は最終的には閣議により決定される。このことから、指定にあたっては高い説明性と透明性が求められる。このように、評価途上の品目について、開発途上の評価手法を用いて、説明性・透明性の高い評価を行わなければならない。
国土技術政策研究所は、土木分野の特定調達品目の技術評価を複数の独立行政法人と連携しながら実施しており、土木学会に対して、グリーン購入法の運用上の課題である評価基準の明確化及び詳細化等に関して検討依頼を行なった。これを受けて土木学会は「グリーン購入法の公共工事の技術審査に係わる運用方針検討委員会」(委員長: 東京大学小澤一雅教授) を設置し、平成18年6月に報告書を作成した。この報告書は、評価基準の明確化、詳細化のみならず、評価業務執行体制のあり方をも含むものである。

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