2007 年 14 巻 p. 65-72
2005年度の管渠の改築延長及び供用延長について全国の地方公共団体を対象としたアンケート調査を行い、アセットマネジメントで重要な役割を果たす現場実態的耐用年数の確率分布などを統計的に算出した。また、これらを用いて全国単位の将来改築必要量を予測した。
本研究では統計解析手法として、管齢別の供用延長に対する改築延長の割合から導かれるデータにワイブル分布の信頼度関数を近似式として用い、耐用年数確率分布を導き出した。また、その分布を用い、2005年度における敷設年度別供用延長及び改築延長から全国の将来改築必要量を予測した。
これらの解析の結果、使用データにより平均耐用年数は83~93年、全国の将来改築必要量のピークは2093年に4, 653kmと算出された。また、過年度の年間敷設延長の推移に現れる鋭いピークは予測された将来改築必要量の推移では極めてなだらかとなることが明らかとなった。