建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
社会経済的損失を考慮した豪雨時の事前通行規制に関する検討
大津 宏康梅川 祐一郎
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2008 年 15 巻 p. 1-11

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抄録

事前通行規制とは, 一般国道やJRにおいて降雨による斜面災害のリスク低減策として用いられる方法であり, 災害が発性する前に当該区間を通行禁止にする措置である. この事前通行規制を実施する主目的としては, 斜面崩壊によって人命の損失や負傷が発生する可能性を未然に防ぐことが挙げられるが, その一方で, 規制する区間が通行できなくなるために利用者に不便をもたらすというデメリットも存在する.
本研究では一般国道に焦点を絞り, 事前通行規制における上記のメリット・デメリットを踏まえて, 規制区間の災害発性の危険度のみならず道路管理者および道路利用者が斜面災害時や事前通行規制時に負担する社会経済的損失を考慮した, 事前通行規制の基準の設定方法に関する試算を提案する. 具体的には, 降雨に対する斜面内の地下水位の挙動を再現するためにタンクモデルを用い, 規制区間において斜面災害時および事前通行規制時に発生する社会経済的損失に焦点を当てた規制基準雨量の設定方法を検討するものである. また, 連続雨量による一律の規制基準ではなく, 降雨波形の違いや降雨の継続時間によって異なった規制基準雨量が算定されることを示す.

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