建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
公共工事におけるダンピング受注の実態と対策に関する考察
佐藤 直良松本 値也木下 誠也丹野 弘石鉢 盛一朗
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2008 年 15 巻 p. 261-272

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抄録

公共工事における過度の低価格入札 (いわゆるダンピング、本稿では以下ダンピングという) は過去から繰り返し問題になってきており、対策も累次実施されてきた。国土交通省値轄工事においては2005 (平成17) 年度から極端な低入札が急増し、翌年12月までの2度にわたる緊急公共工事品質確保対策により沈静化しつつある。本研究では、(1) 現行の低入札価格調査制度の創設に至る経緯、一般競争入札の導入以降のダンピング対策について概観した。(2) 近年発生したダンピング受注について、その背景について考察するとともに、工事の品質低下や建設業界の疲弊等の影響について整理した。(3) 地方公共団体の状況について整理した。(4) 2006 (平成18) 年のダンピング対策のねらいを述べるとともに、特に効果のあった施工体制確認型総合評価方式及び特別重点調査についてはその意義を考察した。
ダンピング問題の根底には価格競争による受注者決定システムの課題があり、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」に示された価格と品質の両方を求める施策を具体化することが重要であることを確認した。

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