建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
コンクリート施工の合理化を評価する手法の開発
小澤 一雅袴田 英宏
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1994 年 2 巻 p. 107-116

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抄録

本研究は, コンクリート構造物の建設における施工の合理化を評価する手法を開発することを目的としたものである。施工性に優れた施工を工期が短く, 現場に必要な作業員が少なく, 各作業に特殊な技能を必要としないものであるとの認識に立ち, 施工性指数を算定する方法を提案した。安全性については, 建設にかかわる人間の死亡災害のみを取り上げ, 各作業中に事故が発生する確率に基づいて, 安全性指数を算定する方法を考案している。これらの評価指標を用いて, 断面が中空の橋脚を例として取り上げ, 4つの施工法を比較評価した。
普通コンクリートを締固め作業が不要の自己充填コンクリートに代えただけでは, 最大15%程度施工性が向上するが, スリップフォーム工法や埋設型枠工法と組み合わせると最大75~85%程度と大幅に施工性を上げることが可能となり, 安全性も向上する結果が得られた。これらの評価を貨幣単位に換算することで総合的に施工の合理化を評価する手法についても提案している。

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