山岳トンネル工事については、今後の大断面施工、急速施工に向けて、機械化・ロボット化等が研究されているが、今のところコスト面から考えてNATMをベースとした工法に勝るものはないというのが実情と考える。この場合、切羽前方の地質予知を含めた切羽の管理をいかに合理的に行うかという問題が、工事の成否の分かれ目となると考える。
一方、建設業においては、受注競争激化の中でコストダウンを強いられ、現場管理要員の削減という問題に直面している。
そこで、マルチメディア・システムやコミュニケーション技術を援用し、トンネル切羽管理に伴う業務を省力化するとともに、切羽の岩盤の状態を合理的に判定するためのシステムを開発し、運用実験を行った。
運用実験の結果、本システムは、切羽管理関係業務の省力化に十分寄与するとともに、岩盤判定のための客観的な情報を迅速に提供し得るものであることが確認された。