1998 年 6 巻 p. 69-78
通常の大規模プロジェクトにおいて、公共発注者は一つの大きなプロジェクトを幾つかのサイトに分割し、発注を実施する。プロジェクトを分割発注することにより、より大きな発注規模による有利性 (規模の経済) と、不確実性に起因するリスクプレミアム (規模の不経済) を巡り、発注規模の最適化に関する二律背反的分析が行われることになる。このリスクプレミアムと規模の経済性を評価するため、当論文では、リスクプレミアムの確率分析を加味した期待現在価値測定法を用いることによる、発注規模決定支援システム (CSDSS) について述べる。またCSDSSは、線形分析を通して最適発注規模戦略の確立を促進する現実的方策についても言及している。