建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
連絡橋プロジェクトにおける合意形成型費用配分法の有用性に関するゲーム論的考察
藤村 秀樹溝上 章志柿本 竜治
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1999 年 7 巻 p. 93-102

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抄録

中央政府および地方公共団体の財政事情の逼迫化を契機として, 社会基盤整備の方策を見直す動きが見られるが, 開発利益を見込んだり, 民間活力を生かしたような費用負担システムは存在しない. よって, 効率的な社会基盤整備が円滑に推進されない面があり, 実務者の間では, 社会に合意が得られるような公正で公平な費用配分方式の開発が強く求められている. 筆者らは, 複数の事業主体により実施される公共基盤整備や新しい事業手法の導入に際し最も問題となる費用配分法として, 新たに合意形成型費用配分法を提案している. どの配分法は, 従来の分離費用身替り妥当支出法などでは考慮できなかった関係者の意見を集約する機能を備えている. 本研究においては, 北九州市の第二若戸連絡道路プロジェクトを対象として, 評価委員会を組織し, 実際のプロジェクトを対象に配分解の試算を行い, 提案した費用配分法の有用性をゲーム論の立場から検証したものである.

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© 社団法人 土木学会
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