2000 年 8 巻 p. 121-130
建設工事のスケジューリング問題の解析には, 代表的な手法としてPERT, CPMがあるが, それらによる工程計画では, 実際の建設工事への適用は難しく, 計画通りにいかないケースが多々ある. 原因としては, 建設工事の作業日数, 費用は, 自然状態, 現場環境などに影響を受け, またそのもの自体が曖昧さを含んでいることが挙げられる. 近年, 実際の建設工事に適用できるよう, それら要素をメンバシップ関数で表現し, 曖昧さを考慮したPERT, CPMに関する研究が考えられている. 本研究では, 従来の研究に対し改良を加えて, 曖昧な状況下でできるだけ実際に即した全体工期, 費用の推定を試みた. 具体的には, より実際の状況を反映できるようなメンバシップ関数の設定, それに伴うPERT, CPMの拡張を行なった. その結果, 求められる全体工期, 費用に対しての, メンバシップ値の状況, 信頼性を考慮した解釈を与えた.