建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
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請負契約約款の紛争解決手続きに関する比較検討
大本 俊彦小林 潔司大西 正光
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キーワード: エンジニア, クレーム, 仲裁
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2002 年 9 巻 p. 151-162

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抄録

わが国の公共工事標準請負契約約款 (GCW) の下では発注者が直接工事監理, 契約監理を行う. 設計変更や予期せぬ事態に遭遇した場合, 請負金額や工期の調整は発注者が行う. 請負者に立証責任を課していない. これは発注者に変更の査定能力が備わっており, 契約当事者間に「信義則」が成立していることを前提としたとき, 効率のよい契約である. このような前提が存在しない国際市場で広く用いられているFIDIC契約約款の下では, 発注者はエンジニアを雇用し, 工事監理, 契約監理を委託する. エンジニアには発注者の代理人 (Agent) として, また, 中立公正な査定者 (Certifier) としての2重の役割を課せられている. この過酷ともいえる2重の役割からエンジニアを解放すべく1999年にFIDICが大幅に改訂され初版として発行された. 本研究ではGCWとFIDICのクレーム, 紛争手続きについて比較検討する. まず公共工事標準請負契約約款 (GCW) とFIDICの根本的な違いに言及し, GCWの今後の問題点を指摘する. 次にFIDIC1999初版 (新FIDIC) に導入されたDAB (Dispute Adjudication Board, 以下DAB) とFIDIC19874版 (旧FIDIC) のエンジニアの役割と比較し, その利害得失に関し考察する. また, DABとDRB (Dispute Review Board, 以下DRB) の違いについても考察する.

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© 社団法人 土木学会
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