建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
建設労働災害におけるフェールセーフ的考察
前川 行正
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2002 年 9 巻 p. 43-50

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抄録

建設産業の労働災害防止への努力は、万全なものであるとは言い難い。他産業において本質安全を追求する姿勢に比べると、まだ手ぬるいものが感じられる。安全対策には3つのE (Engineering, Education, Enforcement) が強調されてきた。この考え方は労働災害が機械的・物理的に適切な環境、知識・技能の欠如、管理的不適正の相互に影響して発生するということが基礎となっている。一方、災害には機械の不都合、人間のミス・エラー (ヒューマンファクター) が介在しているが、安全管理はそれらを防止することを第一義として教育・訓練を重点に、災害防止対策としてきた。しかし、高度に技術の発達してきた現在においては、「機械は故障する・人間はミスをする」という事実を認めた上で、故障やミスがあっても、人間(労働者)の安全は確保するというフェールセーフの考え方を取り入れ、本質安全を確立する必要がある。
本稿では、人間の安全確保を中心とした考え方をいわゆるフェールセーフについて論じるのでなく、建設産業においてフェールセーフに近い考え方で、具体例について適用する考え方を1つの提案として示し、フェールセーフ的考察という形でまとめた。

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