2008 年 36 巻 p. 165-172
平成11年度にPRTR制度が施行され各業界の化学物質排出に対する取り組みが年々進んでいる.PRTR制度は国内製造業すべての業種で一斉に制度化されているが, PRTR対象物質排出量削減ヘの取り組みは業種によって異なる.そこで本研究では環境汚染物質を考慮した生産性評価が可能であるDirectional Distance Function (DDF) を用いて, 2001年度から2005年度のPRTR対象物質排出量を考慮した統合生産性評価を行い, 国内製造業10業種の比較・考察を行った.分析の結果, 10業種すべてで統合生産性は上昇していることが明らかとなった.さらに分析結果を総合した結果, PRTR換算排出量削減の取り組みについて, 多くの企業でクリーナープロダクション型の対策を講じていると推察された.