環境システム研究論文集
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リン資源循環を実現するシステム構築のための基礎的条件に関する検討
鶴巻 峰夫吉田 綾子星山 英一
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2008 年 36 巻 p. 217-225

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抄録

リン資源は世界的な枯渇性の資源であり, 現在利用されている高純度のリン鉱石はこの数十年以内に枯渇するとの説がある.一方で, リンは閉鎖性水域の富栄養化の原因とされる物質である.したがって, リン資源の循環は, リン資源の確保と環境保全にとって有効な施策である.
以上の背景から, 本研究では現状でのリン収支の問題点を整理し, 近年の技術的動向を踏まえて我が国におけるリン資源の循環利用の可能性について, 生活排水処理分野を中心に基礎的な検討を行った.その結果, 生活系でリン鉱石での輸入量の約20%に相当する量の循環が可能であること, 排水処理分野においてはリン回収と地球温暖化防止が条件づきではあるが両立できる可能性があることがわかった.また, さらなる循環に向けたいくつかの問題点の抽出を行った.

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