2008 年 36 巻 p. 265-273
廃校になった学校を宿泊施設へ転用する際に, 学校の物品や設備は宿泊施設の運営方針にそぐわない場合, 廃棄処分されている. そこで本研究では、廃校を活用した宿泊施設を対象として, 他施設における学校物品・設備活用の可能性を探ることを目的とした. 研究方法として, 国内の17校の廃校活用宿泊施設へ赴き, 存在する学校物品・設備の実態を分析した, その結果、廃校宿舎の特徴を「『学校』を演出する宿泊施設タイプ」と「『宿泊』を演出する学校タイプ」に分けることが出来た。また、廃校宿舎は機能のリユース, 意味の継承といった2種類のリユースとしての知恵が大きく発揮されている場であることもわかった. 最後に、運営方針に見合った物品・設備の活用法について提案した.