オイルショック時には原油価格の高騰によって日本の産業技術が大きく変化したと言われている. 本研究では, 産業内に複数の技術を仮定した生産関数を提案し, 因子分析の一つであるPMF (PositiveMareix Factorization) のを用いてこれらの技術を抽出する方法を提案する. また, この方法を用いて2度のオイルショックを経験した1970年-1990年の日本のデータから具体的な技術の抽出を行い, 日本の産業技術がどのように変化したのかを明らかにする. そして, 抽出された技術から構成される生産関数を標準的な応用一般均衡モデルに組込み, 1) 原油価格の高騰が産業技術の変化を通して日本経済に与えた影響, 2) 代替技術の存在による影響の緩和効果等について事後分析が行われる.