岡山県笠岡市沖白石島では, 急速な過疎高齢化によって労働力が不足し, 環境保全の維持が困難となっている. 本研究では, この白石島の地域環境を岡山県立矢掛高等学校で行なわれている持続発展教育の場として提供することを考えた. 環境教育を島の歴史・伝統・文化・社会と結び付けて実習するプログラムを作り, 事象の関係性の理解, 総合力, 知識への意欲などの向上を狙い, その実施に関し, 観察, データ収集と評価を行なった. その結果, 島の環境問題や文化を, 過疎高齢化の問題などと関係性を意識する生徒が一部に現れ, その中から自らのコミュニティや日本との関係を考える生徒がでてきた. 彼らのうち, こともESDの効果の表れのひとつと考える事ができる.