2008 年 36 巻 p. 389-396
交通環境負荷低減に向けて自動車交通の抑制・削減が説かれているが, 十分な効果をあげているとはいえない. その理由として, 交通需要の根源である運転動機 (何故自動車を運転するのか) についての配慮がなされていないことがあげられる. また, 運転動機以外にも日常的な環境配慮特性の個人差が諸策の受容性と関連している可能性も高い. そこで本研究では, 岡山県倉敷市において1万人を対象に個人行動・意識調査を実施し, 都市機能集約の観点などから交通環境負荷低減策と期待されている「商業施設の都心立地, ガソリン価格のコントロール, 都心居住, 公共交通改善」といった諸策に対し, 個人の運転動機, 環境意識の違いによりどの程度交通環境負荷低減策の受容性に違いが見られるのかを定量的に評価した.