環境システム研究論文集
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高保水性外装資材による省エネルギー効果の実物大建物実験と解析
山田 宏之田中 明則奥田 芳雄一柳 隆治
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2008 年 36 巻 p. 419-425

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抄録

本研究は, 新しく開発された建築用保水板と, 屋上緑化, 高反射性塗料の3種の実験材料を用いて, 現住の実物建物を用いて, 室内の冷房用エネルギーの軽減量と温熱環境改善効果の実測と解析を行い, 省エネルギー対策, 室内暑熱環境改善資材としての有効性を検証することを目的として実施した. 夏季晴天日における9日間の実測結果から, 表面温度, スラブ面温度の低減効果は保水板が最も高く, 次いで屋上緑化, 高反射性塗料の順となった. 保水板区と対照区の測定結果を比較した結果, 天井面温度, 室内平均輻射温度は常に保水板区の方が低くかった. 空調中のPMVの差は認められなかったが, 空調停止後には顕著な差が現れた. 消費電力は大きい順に対照区, 高反射塗料区, 屋上緑化区, 保水板区となった. 削減量は13.4-32.1%となり, 有効な効果が認められた.

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© 社団法人 土木学会
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