全世界のCH4・N2O排出量のうち農畜産業が占める割合はそれぞれ50%, 60%に達する (2005年時点). 本研究では農畜産生産量に関する将計モデル及びそれに伴う温室効果ガス削減ポテンシャル推計モデルを開発し, 世界23地域を対象に2000-2030年において食料生産が今後どのように変化するかを推計し, 食料生産に由来するGHG排出量および削減ポテンシャルの定量的な評価を行った. 2000年の排出量は3959MtCO2eqで, 家畜反芻が高い寄与率を示した. 地域別では, 中国, インド, アメリカで高い排出量となった. 2030年の最大削減ポテンシャルは1403MtCO2eqとなり, 2000年比で約35%削減でき, 最も経済効果が大きい対策は, 「家畜糞尿の散布」であることが示された.