2006 年 43 巻 p. 343-351
スポンジ担体を充填したエアリフト型リアクターを用いて, アンモニア流入負荷を段階的に上げて運転したところ, 流出水中に残存するアンモニア性窒素濃度の増加に伴い, 亜硝酸性窒素の蓄積が確認された. 亜硝酸性窒素の濃度比は, 温度や残存するアンモニア性窒素濃度よりも, 遊離アンモニア濃度と強い相関性があることが示された. 遊離アンモニア濃度が8mg NH3-N・L-1付近での亜硝酸性窒素の濃度比は0.8と, 良好な亜硝酸性窒素の蓄積が確認されたことから, 遊離アンモニア濃度は亜硝酸型硝化を制御するうえで重要な因子の一つであることが示唆された. また完全硝化時にはNitrospiraに属する亜硝酸酸化細菌が, 亜硝酸型硝化時にはN. europaeaに近縁なアンモニア酸化細菌が優占的に存在していた.