環境工学研究論文集
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Expanded Granular Sludge Bed (EGSB) リアクターによる実下水処理特性の評価
大河原 正博西山 桂太山口 隆司珠坪 一晃井町 寛之原田 秀樹大橋 晶良
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2007 年 44 巻 p. 579-587

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抄録

本研究では低温・低濃度有機性排水の嫌気性処理に関して研究実績のあるEGSBリアクターの下水処理への適用性評価を目的とし, 都市下水の常温条件下での連続処理実験を行った. EGSBリアクターではグラニュール汚泥を植種し, 排水循環により高い線流速を与えること, 及び初沈通過前の下水を用いたため, SS由来のCOD除去性能が不安定であった. そこで, 前段に簡易な沈殿槽を設けて運転を継続した. その結果, COD除去性能は安定し, 水温によらずHRT2時間の条件下で全COD除去率44%を定常的に発揮した. 保持汚泥については, 水温や有機物負荷の低下に伴い汚泥量と活性の低下を招くが, 約500日間の運転後においても, 植種汚泥量の3割程度の汚泥が残存していた.

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