2007 年 44 巻 p. 679-685
本研究グループは, 余剰汚泥を亜臨界状態にした水の中で可溶化し, この可溶化汚泥をUASB装置に連続投入しても高い処理性能を得ることができなかった課題を克服するために, 亜臨界水処理の設定温度を変化させることで, あるいはアルカリおよび酸を添加した亜臨界水処理によって, 汚泥の嫌気的生分解性が向上するか検討した. 実験結果から, 亜臨界水処理の設定温度の上昇に伴い, 汚泥の可溶化を促進させることができるが, 逆にメタン回収量が低下した. また, アルカリを添加すると, 固形物分解率は上昇するもののメタン回収量には変化がなかった. 一方で, 酸添加率が0.1~0.5 (g-HCI/g-TS) となるように酸を汚泥に添加し, 亜臨界水処理の設定温度を150℃に設定すれば, 汚泥の嫌気的生分解性が向上することがわかった.