環境工学研究論文集
Online ISSN : 1884-829X
Print ISSN : 1341-5115
ISSN-L : 1341-5115
藻類を用いた生態影響評価試験における新バイオアツセイ手法と既往手法の比較
武田 文彦塩入 万莉子野村 宗弘中野 和典西村 修
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 45 巻 p. 163-168

詳細
抄録

褐藻アカモクSargassum horneri抽出物とアカモク培養液の海洋性珪藻Skeletonema costatumに対する増殖抑制効果について, 栄養素条件に関係なく供試藻類が最大比増殖速度μmaxを示す新バイオアッセイ手法と既往の手法を比較した. その結果, 既往の手法の評価では新手法に比べ抑制効果が過小評価されたが, その原因は既往の手法では培養期間が長いことと, 試験水への栄養素添加による化学物質の抑制効果の低下にあると考えられた. 特に, 栄養素が供試藻類の増殖を制限しないよう試験水への栄養素添加が不可欠であった既往の手法による評価では化学物質の影響を正しく評価できていないことが明らかになり, 栄養素添加を必要とせずに抑制効果を評価可能な新手法は化学物質の生態影響評価に有効であると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top