2008 年 45 巻 p. 333-339
カーボンニュートラルのバイオマス資源である生ごみや下水汚泥からの資源回収が, 地球温暖化防止や資源循環の重要性から見直されている. 高温嫌気性消化より処理効率の向上を目指して, 超高温酸発酵槽を組み込んだ嫌気性消化工程を開発するために, 生ごみのみ, ならびに生ごみおよび下水汚泥の混合基質を対象として実験室規模の反応器で連続運転および回分式実験を行った. 高温酸発酵槽に比して超高温酸発酵の場合, タンパク質の可溶化で特に有利であり, 超高温酸発酵に高温メタン発酵を組み合わせた場合, メタン生成や安定性の面から有用であることが示された. 回分式実験を行ったところ, 超高温条件下で微生物による反応が活用されていることが示され, 熱処理以上の処理効率が得られていると判断された.