抄録
アンモニウム塩 (硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸) および尿素を錯体形成剤として用いた場合でのアルカリ条件下における都市ごみ焼却灰の重金属溶出挙動を調べた。本研究の条件ではアンモニウムイオンよりもカウンター陰イオンが錯体形成に寄与したと推察された。硝酸アンモニウムではMgを、ク エン酸アンモニウムではCr, Cu, Fe, Mn, P、特にFeに対して強い促進効果を示した。クエン酸アンモニウムと尿素を用いると特にFeの溶出に対して顕著な共存効果を示し、溶出が促進された。溶出試験の相関分析 からCr, Cu, P, Mn間のそれぞれとFe, Mn間に強い相関が見られた。これらの元素を主成分とする鉱物の溶解が関与していると考えられ、FeとMnについてはXRD分析による傍証が得られた。