環境工学研究論文集
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江戸川下流に造成された人工ワンドにおける魚類相と環境条件の推移
西田 一也古澤 由美子岡崎 大輔君塚 芳輝
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2008 年 45 巻 p. 73-80

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抄録

本研究は, 魚類の棲息環境としてのワンドの機能とその経年変化を明らかにすることを目的とし, 1996-2008年に江戸川下流の本流および2つの人工ワンドにおいて, 魚類および環境条件の調査を行った. その結果, 掘削・造成したワンドは, モツゴ・カダヤシ・メダカといった小型で游泳力が小さく, 定住性が強いと考えられる魚類の棲息場となること, コイ・ブナ属といった魚類の繁殖・成長の場となることが推察された. 一方で, 経年的な土砂堆積による水深の減少によって, その機能は低下する可能性が考えられた. ただし, 再掘削によって棲息や繁殖の場としての機能が回復することが示唆された. 今後の課題として, 人工ワンドにおける魚類の棲息・繁殖に与える要因を精査することが考えられた.

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© 社団法人 土木学会
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