自然保護助成基金助成成果報告書
Online ISSN : 2189-7727
Print ISSN : 2432-0943
第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成 国内研究助成
繁殖期のチュウヒが風力発電施設の建設により受ける影響とその行動 ―日本野鳥の会サロベツ湿原チュウヒ研究グループ―
浦 達也長谷部 真平井 千晶北村 亘葉山 政治
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2020 年 28 巻 p. 50-57

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抄録

近年,個体数が減少している,絶滅危惧種で国内希少種であるチュウヒの国内最大級の繁殖地であるサロベツ湿原とその周辺の地域において,複数にわたる大規模風力発電施設の建設計画が存在する.風車の建設による影響は猛禽類で多くみられることから,本研究ではサロベツ湿原エリアでの風車の建設がチュウヒにどのような影響を与える可能性があるか,6・7・8月ののべ62時間の行動観察の結果から推測した.その結果,時期,時間,場所とその環境に関わらずチュウヒの巣から半径1.25kmの範囲内でバードストライク等の発生リスクが存在し,また,日の出から4時間後以降および育雛期(6月)にバードストライク等の発生リスクが高まることが分かった.チュウヒの保護を考えると,チュウヒが営巣していることを確認した場合,巣があると推測される地点から少なくとも半径1.25kmの範囲について開発行為を行わないこと,また,チュウヒが探餌行動していることが確認された環境についても開発行為を避けるなどが重要な保全措置となる.

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© 2020 本論文著者
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